薔薇を食する少女達
  
 人の命は限られている。数十年などあまりに儚い。
 背徳の杯から命を得るには、互いに互いの、赤い液体を飲む他にない。
 さすれば、どちらかが多量出血でたおれることも、古の伯爵夫人のように──少なくとも人間に裁かれる怖れもない。

 「君と離れずにいられるなら……人じゃなくなっても、問題ない」

 「私も。貴女と一つになれるなら、神様の掟なんて知るものですか」

 永遠の友愛を約束した。

 少女達は、代わる代わる、互いの血を味わっていった。
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