LOTUS~あなたに出会えたから~
それからおやすみを言い合って、電話を切った。

眠るまで何度も、彼と交わした会話を繰り返し思い出した。


離れていた長い時間、子供から大人に成長しながら私が勝手に作り上げた彼のイメージ。

それは今、私の目の前で次々に崩れて柔らかい輪郭を造りはじめていた。

手をのばせば、触れる事ができるそれは、簡単に壊す事も出来てしまうのだろう。

大人になった私が知っている痛みは、私自身をうまくコントロールしていた。


やっぱり大人になれたのかもしれない。
あの頃に比べて、私は。


< 23 / 117 >

この作品をシェア

pagetop