アホ毛のアン【短編】
とっつぁんは集まる生徒達を見回し、胸を張り両手を広げまるで舞台役者のように声を張り上げた。


「犯人はこの中にいます!」


あんたはどっかの天才探偵かっ


誰かがみんなの気持ちを代弁するような突っ込みをしたのが聞こえた。


「犯人は……君だ!」


少年探偵の方か?


また誰かが突っ込みをしているのを聞きつつアンは硬直した。


どうして、と思わずこぼれる。


何故ならとっつぁんはまっすぐアンを指さしているのだ。


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