アホ毛のアン【短編】
「ヘルメットを被っていれば判らなかっただろう。しかしキミはノーヘルだった。そしてキミのアホ毛はスクーターで走行中の強風にも負けないほどのアホ毛だった」


アンは力が抜けてガックリと膝をついた。


あの時ヘルメットを取りに行く手間を惜しまなければ……


「そして先ほどもキミの姿は人垣に隠れ見えなかったが、アホ毛だけは人垣から飛び出して見えたのだよ」


もはや逃げる事も言い逃れも出来そうになかった。


強烈なアホ毛があったばっかりに……


アンがハムカツサンドを食べられるのは当分先、アツアツのそれが冷え切ってからになりそうであった……



  ―おしまい―




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