パステルカラーの恋模様 2
「右手が男湯、左手が女湯になっております。ごゆっくりどうぞ」


受付を済ませ、ロッカーの番号の付いたプレートを受け取る。


啓ちゃんは、青いの。

あたしは、ピンク。


「なんだぁ。もうここで分かれちゃうんだ」


男湯と女湯へ続く分岐点の前で立ち止まって、啓太が口を尖らせた。


「一緒に入りたかった?」

ぶふふ、とさっきのお返しのつもりでからかったのに啓ちゃんは、


「うん…」


にゃー!!

あひる口で甘える啓ちゃん。お風呂に入る前にのぼせそうだ。


「美園、顔あかいよ?」

「あっ赤くないよ!さ、行こ行こ!の、のぼせないようにねっ」

思わずアタフタ。


「美園もね」

啓ちゃんは余裕のよっちゃんだ。


最後に軽く手を繋いでから啓ちゃんは青い暖簾をくぐった。
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