君色Diary
「うっわぁー。空ってば、全部同じ顔じゃん」


「そう言う陽向も、全部バカ笑いしてるだけじゃねぇか」


「俺は楽しんで笑ってるんだっつーの!」



落書きをしながら、陽向くんと空くんがぎゃーぎゃーと言い合う。

そんな隣では、葉月が心底楽しそうに色んな落書きをしていて。


あたし……さっき、空くんに抱き寄せられた……よね?

顔……すっごい、近かった……。


3人のすぐ隣で、パタパタと熱くなった頬を手で仰ぐ。

それでも、ドキドキと高鳴る胸はおさまらなくて。



「はい、七海。できたよ」



葉月の声に振り返れば、すでに切り分けられたプリクラを渡される。

そこには空くんとのプリクラも含まれていて。



「空ってば、七海と一緒のときしか笑わなかったね。逆に、七海はそのときだけ驚いた顔だけど」


「あ、ありがと……」



クスッと笑う葉月に、再びかぁーっと顔が熱くなる。

そんな顔を隠すようにして、改めてプリクラを見てみれば、たしかに空くんの笑顔はその一枚だけで。



「……大事にしよ」



トクン、トクンと優しく鳴る胸。

あたしは小さく呟くと、キュッと大事にプリクラを抱えた。



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