君色Diary
「最初っからかよ……。だからさ、ここはこの公式使って……」



本を机に置くと、早速丁寧に教え始めてくれる空くん。

近づいた距離に、心臓が暴れる。



惚れやすい体質では、ないはず……。

でも、すごいドキドキするよ……?



説明は全然頭に入らなくて。

パッと課題からあたしの方を見た空くんに、またドキッと胸が鳴った。



「ちょっと、聞いてんの?」


「えっ、あ……ご、ごめん、もう一回!」


「このバカ……」



呆れながら、ポンッと頭を、軽く叩かれる。

あたしは思わず笑ってしまって。


再び説明をし始めた空くんの横で、“家に帰ったら、さっきの言葉を書き換えよう”、なんて、そんなことを思っていた。



“あたしは空くんに、恋しました”ってね。





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