君色Diary
「だからさ、ここにはaを代入して移項するんだよ。で、こっちはこの式にこの数を当てはめて計算していくだけだから……」




それでも、空くんは嫌な顔せずに、どんな簡単な問題であっても、あたしが分からないものは、全て丁寧に教えてくれる。

それだけでもキュンとしてしまうあたしは、早くも空くんにベタボレらしい。



「えっと……こうで、こうで……あっ、できた!」



教えてもらった通りにやれば、やっと解けた問題。

それが嬉しくて、パッと隣の空くんを見れば、表情を崩さずに「はいはい」と言いながら、ポンポンと頭をなでてくれた。

それにまた、キュンとして。


やっぱり、空くんは優しいな……。

知り合ってからまだ一週間なのに、ますます好きになっちゃうよ……?



「ほら、次。今のは中学生でも余裕で解けるんだから。今のままじゃ、まだ中学生以下だって」


「……はい」



……ちょっとだけ、意地悪だけど。




< 15 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop