君色Diary
「今日は学校、行かないんだね?」


「えっ、あ……う、うん。土日と祝日は家にいるよ」


「そっか」



お兄ちゃんの口から出た“学校”という言葉に、思わずビクリと反応してしまう。

でもお兄ちゃんは、それに気づかないように、ただ微笑んでくれて。

あたしはお兄ちゃんの、そんな気遣いがあたしにはとてもありがたかった。


あたしが昨日のこと言わないから……気をつかってくれてるんだろうな……。


昨日、学校へ行く際に、花火大会の広告を渡すと同時に「結果報告、待ってるよ」とあたしに言っていたお兄ちゃん。


なのに、あたしは昨日、帰ってくるなり部屋にこもって。

仕事から帰ってきたお兄ちゃんにも、「おかえり」と言うだけで、学校のことは一切話さなかった。


そんなあたしを見たお兄ちゃんは、問い詰めることもなく、いつも通りに接してくれて。



「お兄ちゃんは、今日、仕事は休みなの?」


「ううん、今日は昼からなだけ。12時半くらいには行くよ」



そう言って、やっぱり優しく微笑んだお兄ちゃんに、あたしは「そっか」と微笑んだ。



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