君色Diary
「バスケ、してぇぇー!!」



そんな切実な声が、倉庫に響く。

いきなりの大声に驚けば、陽向くんは、両手で顔を押さえて。



「せっかく葉月が“カッコいい”って言ってくれたのに……」


「葉月?」



次は急に小さくなる声。

それに聞き返せば、陽向くんはむくっと起き上がってあたしを見た。

そして、ドアに張り付くように体育館を覗くあたしを見て、姿勢を改めたかと思えば。



「ななみんって、空のこと、大好きだよな」



突然、そう言った。


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