君色Diary
「……いっ……!?」



ギュウッと強く、握られた腕。

その力はさっきよりも強くて。

慌ててぱっと手を離せば、ゆっくりと顔を上げた空くんと、目が合う。

たったそれだけで、またドキッと、胸は大きく跳ねて。



「……離してほしいの?」



疲れているのか、怒っているのか。

そう言った声は、いつもよりも低い。



「……え、っと……離して、くれないと……どうしたらいいのかな、って……」



微かに声を震わせて、途切れ途切れに口を開く。

涼しい室内のはずなのに、緊張しているせいか、額にはうっすらと汗が浮かんで。



「……座って」


「……えっ?」


「隣、座ればいいだろ」



聞き返した言葉が変に裏声になる。

空くんはそれも気にせずにそう言うと、ぽんぽんと自分の隣……茉莉花ちゃんが座ってた位置を手で叩いた。


< 309 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop