君色Diary
「ここは、七海の場所。茉莉花には貸し出してただけ」



そう言って、空くんにジッと見つめられる。

その視線からは逃れられなくて。



「…………」




ガタッとイスをひく音が響く。

茉莉花ちゃんと誤解を解いた後だっていうのに、無意識に避けていた、空くんの隣。

ストンと座ってみれば、思ったよりも、空くんとの距離は近くて。


……緊張する……。

何から話せばいいんだっけ……。

土曜日のことを謝るのが先?

それとも、葉月と陽向くんに言われた、花火大会が先?

いっそのこと、茉莉花ちゃんと話していた、心をつかむのが先?

……頭、パンクしそう……。



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