君色Diary
「だってテストだよ!?次は高2の問題なんだよ!?あたし、補習の常連だよ!?」



静かに本を開いた空くんの横で、あたしは定期テストというものが、いかに恐ろしいかを熱弁する。

一方、空くんはいたって静かにページをめくり、たまに「うん」とか「そう」とか、短い相槌をうって。



「…………」


毎回思うけど……空くんて、あたしの話、聞いてるのかな?


毎日図書室に来てから、ずっと考えていること。

この間、たしかにあたしは、空くんの暇つぶし相手と言われたはず。

なのに実際は、あたしが初めて空くんに会ったときのように、本を読んでいるだけで。


もしかして、あたし……邪魔なのかな…?

いない方がいい……?


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