君色Diary
わかりながら聞いていたものの、いざ一度も視線をこちらに向けることなく答えられると、悲しいもので。

あたしは静かに黙ると、机に突っ伏した。


なんでだろう……。

課題を教えてくれてたときの空くんが、遠く感じるよ……。

仲良くなれたって思ってたのは、あたしだけだったのかな……。


考えれば考えるほど、悲しくなっていく、心の中。

仕舞いには、じわっとうっすら、涙まで浮かんできて。


ダメダメダメ……!

空くん隣にいるのに、ダメだって……!!

あたし、涙もろい方じゃないのに……!!


我慢しようとしてみても、突っ伏している状態じゃ、逆に涙が溢れそうになる。

それだけは阻止しようと顔をパッと上げれば、不意にポンッと頭に手が乗せられた。



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