転校生は憧れの人
「先約入っとんねん、俺の。コイツにはお前等と悠長に喋っとる暇なんか、微塵も残ってへんのや」
ドキッ。
あたしはその横顔に、つい見とれてしまう。
今の怜佑……いつもよりカッコいいと思うのは、あたしの気のせい?
「ちょ、まさかお前ぇ、この子の彼氏!?」
「は? ただの幼なじみや」
「「幼なじみ!?」」
怜佑の発言に、2人は怪訝な顔をする。
「そーゆーわけやから、さっさと諦めて他あたったら?」
彼等を追い払うように、怜佑はさっと右手を動かす。
そして1人が舌打ちしたかと思うと、2人はそそくさと向こうに逃げていった。