転校生は憧れの人
――……
『……あれ?』
気付けば、私は保健室に運ばれていた。
辺りを見回すと、私の隣には椅子に座る憐くんの姿があって。
『ごめん』
私が目を覚ましたことに気付くと直ぐに、彼は口を開く。
『へ?』
『俺のせいだから』
そう言って俯く憐くん。
まさか、ずっと……。
『ずっと、ここにいてくれたの?』
『まあ』
コクリと頭を動かす憐くんに驚いた。
『で、でも、ボールぶつかったのは、憐くんのせいじゃないよ。それに、避けられなかった私も悪いんだし』
そうだよ。私が、ただどんくさかったからいけないんだ。