さよならまでの時間
メールを読み終えて涙を流し携帯を閉じた俺に、翔が聞いてきた。
「梨花の気持ち、わかっただろ?」
「翔、俺をりんのところへ連れてってくれ!りんに会いたいんだ!りんのそばにいてやりたいんだ!」
「じゃあ、すぐにでも行けるか?こうしてる間にも梨花はどうなってるかわからねぇから・・・」
そう言われて、急いで着替えた俺は、何日か分の着替えをバッグに詰めた。
「行こうか。」
家を出ようとした時、大事な物を忘れたことに気づいた。
「あ、ちょっと待ってくれ!」
部屋に戻り、それを握りしめて出てきた俺に、翔が言った。
「何だよ、それ。」
「あとで説明する。とにかく早く行こう。」