素敵に政略結婚♪◆

＊＊＊

「へ？旦那様の印象？？」

気の抜けたような返事を返したのは
建志の秘書兼アシスタントをしているリュートだった。


こっそり、健志の印象を聞いてみようと思って
先に玄関ホールに早く降りてきてみたの。


つまり、
建志と
ずっと一緒にいるっていう事は、
きっと私なんかよりずっとずっと
建志のことを知っているってわけでーーー


「私、もっと建志のことーー知りたいんです。」


リュートは
困ったように首を傾げてから、

ニヤリと、
綺麗な口元を上げて
笑った。


「あの…　リュートさん？」
　
「知らない方がいいってこともあるかもしれません。オ　ク　サ　マ。」

はははっ。

と、楽しそうに笑って
リュートは深々と頭を下げた。




その時ふいに後ろから声がかかる。

「なに？楽しそうだね。春乃。」

穏やかな微笑みを浮かべた建志だ。
春乃は
少しはにかんで、
「なんでもありません」
と、後ずさる。