胸キュン


「おぅ!まかしとけ!」



瀬川君は自信満々だし。



「ちゃんと休むんだよぉ♪」


「また後でねぇ☆」


「ちょ…待って!」


「知花!」


「あの…瀬川君…!」


「みーなーと!しっかり掴まっとけよ!」



掴まっとく…?



「え…?なんで…?」


「落ちるぞ」



落ちる…?



「え…?って…ひゃあ!!!!!」



瀬川君が全力で走っている!



本当に掴まってないと落ちちゃう!!!!!!



勘弁してぇ!!!!!!



「いやぁ!!!!怖い〜!!!!」



私は瀬川君の首に両手を巻き付けていた。



いつもならこんな事、恥ずかしくてしないけど…。



そんな事を考える余裕なんてない!



ただ怖い!早い!死ぬ!



これしか頭の中になかった。



本当…今日はなんて日なの…?



彩乃と同じクラスで翠と友達になった。



ここまでは素晴らしい日だった…。



だけど隣の席に絶世の美男子が来て…。



私に挨拶して…。



ここまでは…普通だったのに…!



いきなりその絶世の美男子に《ずっと好きだった》って告白されて…。



子犬みたいな瞳で一ヶ月間付き合う事になって…。



須賀君って人にはよろしくされて…。



クラスの注目集めて…。



入学式に出ようとしたら陽ちゃんに会って…。



陽ちゃんに瀬川君を紹介する時に【彼氏】って紹介して…。



抱き着かれて…。



【湊】って呼べって言われて…。



呼んだ後…立てなくなって…。



お姫様抱っこされて…。



いい友達に恵まれてると思えば友達は楽しんでいて…。



今はお姫様抱っこだけど無茶苦茶なスピードで…。



私の平凡だったはずの今日を返してよぉ!!!!!!



< 30 / 162 >

この作品をシェア

pagetop