胸キュン
「おぅ!まかしとけ!」
瀬川君は自信満々だし。
「ちゃんと休むんだよぉ♪」
「また後でねぇ☆」
「ちょ…待って!」
「知花!」
「あの…瀬川君…!」
「みーなーと!しっかり掴まっとけよ!」
掴まっとく…?
「え…?なんで…?」
「落ちるぞ」
落ちる…?
「え…?って…ひゃあ!!!!!」
瀬川君が全力で走っている!
本当に掴まってないと落ちちゃう!!!!!!
勘弁してぇ!!!!!!
「いやぁ!!!!怖い〜!!!!」
私は瀬川君の首に両手を巻き付けていた。
いつもならこんな事、恥ずかしくてしないけど…。
そんな事を考える余裕なんてない!
ただ怖い!早い!死ぬ!
これしか頭の中になかった。
本当…今日はなんて日なの…?
彩乃と同じクラスで翠と友達になった。
ここまでは素晴らしい日だった…。
だけど隣の席に絶世の美男子が来て…。
私に挨拶して…。
ここまでは…普通だったのに…!
いきなりその絶世の美男子に《ずっと好きだった》って告白されて…。
子犬みたいな瞳で一ヶ月間付き合う事になって…。
須賀君って人にはよろしくされて…。
クラスの注目集めて…。
入学式に出ようとしたら陽ちゃんに会って…。
陽ちゃんに瀬川君を紹介する時に【彼氏】って紹介して…。
抱き着かれて…。
【湊】って呼べって言われて…。
呼んだ後…立てなくなって…。
お姫様抱っこされて…。
いい友達に恵まれてると思えば友達は楽しんでいて…。
今はお姫様抱っこだけど無茶苦茶なスピードで…。
私の平凡だったはずの今日を返してよぉ!!!!!!