恋のレシピの作り方
 初出勤から数週間が経った―――。

 始めは規模の大きい厨房に、戸惑いもしたが、さすがに七年築き上げてきたシェフとしての経歴が幸をなして仕事をスムーズにさせた。


(一条さんってどっかで見たことあるんだよね……どこだったかな)


 初出勤以来、奈央は一条の既知感が気になってしょうがなかった。


(うーん、考えても出てこないな)


「おい」


「ッ!?」


 突然背後から声をかけられて、かき混ぜていたホワイトソースのスプーンを落としそうになる。
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