恋のレシピの作り方
「い……たぁ」


 見て見ぬふりをして一瞥する通行人の中、奈央はのろのろと身体を起こした。

 
 ―――惨めだ。


(桐野君が友達以上の感情を抱き始めてるってなんとなくわかってた、気づかないふりして、馬鹿みたいに愛想振りまいてたのは私……)


 ひたすら身体を打ちつける雨が、何かの罰のように奈央に降り注いでいた―――。
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