恋のレシピの作り方
 ―――この仕事が向いてない。


 生田は確かにそう言った。そしてそれは、今までに何度も自分が経験してきた劣等感。その度に挫折して、厨房から逃げたいという衝動を幾度も押さえ込んできた。だから生田の言葉の意味が痛いほどよく分かる。

 
 けれど、本当に自分の仕事が好きならば、結局戻るべき場所は厨房なのだ。それを、生田にもわかって欲しい。

 奈央はそう祈りつつ、仕事に没頭しようと気合を入れ直したその時―――。
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