恋のレシピの作り方
「盗作なんて、許せない……」


 奈央はそんな羽村の言葉を聞きながらポツリとつぶやいた。


 一条が多忙な毎日の時間を縫って、新しいレシピを考えている姿は、今まで何度も見てきた。あまり自分を出さない一条が、アイデアがまとまらない時や良案が浮かんだ時、奈央はその小さな表情の変化を覗き見ては、自分も一緒になって一喜一憂していた。
 
 ―――そんな簡単に盗まれていいものじゃない。

 今にも暴れだしそうな憤りの感情が、奈央の冷静さを見出そうとするが、奈央は拳を握ってこらえた。
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