ラブ・ストーリー~可愛くない女~
「ちょっとしたきっかけで、カクテルも人も変わってしまいます。挫折だったり、大切なものを失ったり、嫉妬したり、憎んだり。」


私達は康介さんをじっと見つめた。


「でも、しっかりと味わってみてください。どのカクテルも個性があって美味しいでしょう?人も同じだと思うんです。」


康介さんはグラスをテーブルに置き、静かにカウンターへと向かった。


「自分のベースに加わったものを生かすのも殺すのも自分次第。同じ刺激を受ける自分自身を変えることができたら、可能性はさらに広がっていく。」


自分のベースに加わったものを生かす‥。


‥自分自身を変える‥。


私は心の中で康介さんの言葉を繰り返した。
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