Dreamers-夢物語-

「でも無理すんなよ?」

「うん。さ、早く暗くなる前に帰りな♪」


おう!と廉は言って、座ってるあたしの肩を叩くと、帰るぞと手招きする。
あたしはお邪魔しましたと頭を下げて、廉のいる扉に歩き出した。
そのとき、お母さんはあたしに言った。


「お母さんじゃなくて、美佳さん」

「え…あ、美佳さん?」


ふふ、と笑う。
今度から呼んでね?士ちゃん♪とまた笑顔で言われ、あたしは思わずはい!と大きな声で返事をした。
そんじゃな。あたし達が扉の外に出て、閉めるまでずっと美佳さんは、笑顔で手を振り続けていた。


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