Dreamers-夢物語-


「士、何時に行くんだ?」

「あ、2時半に行こうか?」

「…んー」


今日早く帰ってきたのは、この子のため。
婆ちゃん達と旅行に行くため、旅行に必要な物を一緒に買いに行くんだ。
郁は昔から1人で買い物等に行くのが嫌いで、いつもあたしがついてく。
今回は早く行きたいという要望に答えるべく、早退してきたんだ。
生徒会の仕事も終わらしてきたし。

あたしは部屋から出てリビングに降りた。
真っ暗なリビングでも日の光が当たってるから、何がどこにあるか把握出来る。
ソファーに腰掛けようとしたとき、あたしの足はテーブルにぶつかった。
そのとき、床にカチャッという音が鳴った。
落ちた物を拾い上げる。
…あれ、こんなものあったっけ?
星形のネックレス。
あたしこんなネックレス持ってるわけないような…。
そのネックレスをまじまじ見る。
自分のじゃないと思う自分と自分のだと思う自分がいる。
でもなんだか、懐かしく感じる。


< 30 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop