夢の外へ
セレブの父って言うくらいだから、相当威厳があってドスが効き過ぎている人かと思えば…タヌキオヤジだったんだから。

「明日香」

聞き覚えのあるその声に振り返る。

「杏樹!」

杏樹だった。

彼女の隣にいる人は旦那さん。

無理やり連れてこられたって言う顔を思いっきり浮かべていた。

「ごめんね、せっかくのお休みなのに」

そう言った私に、
「いいの、いいの。

私も1度セレブのパーティーに参加したかったの。

祐二ったら、私をこう言うところへ連れて行くのが嫌みたいで」

杏樹は苦笑いしながら言った。
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