夢の外へ
気がついて目を開けたら、白い天井だった。

あれ…?

私、何で…?

自分のいる場所が病院のベッドのうえだと気づいた。

腕には点滴が打たれていた。

「起きた?」

その声に視線を向けると、杏樹だった。

「――えっ、私…?」

躰を起こそうとしたら、
「待って、まだ安静にしてなきゃ」

杏樹に止められた。

訳がわからない。

何で止められなきゃいけないの?

「明日香、あなた自分が倒れたことわからなかった?」

「…はっ?」

私が倒れた?

杏樹の旦那さんが病室に顔を出してきて、話があると言われて杏樹が外に出たのは覚えている。

それから?

それから…?

次の出来事が出てこなかった。
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