夢の外へ
そうだったんだ…。

「だから明日香」

千景ははにかんだように微笑む。

「俺と…本当に一緒にいて欲しい。

上辺だけとか、そんなんじゃなくて。

生涯の伴侶としてそばにいて欲しい」

気づかされた。

いや、最初ッからわかっていた。

千景が好きだって。

「…信じていいの?」

「もちろん。

と言うか、こんなところでウソついても仕方あるまい」

「…そうだね」

次から次へと涙が流れる。

「返事は?」

「私も…千景と本当に……本当に一緒にいて欲しい……。

だから…」

「うん」

「一緒にいて、ください…」

初めて気持ちを打ち明けられた。

千景。

私、あなたに出会えてよかった。

だから、これから先も一緒にいて…ね?
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