恋愛恐怖症。
そんなこんなで、土曜日となった。


土曜日は楽だ。


あのストーカーメールに悩まされることもない。


と、勝手に思っていた。



ふと気が付くと、携帯に着信が。


誰だろう。そう思ってみると、非通知からの電話。


出てみる。



『あのさ、俺…K だけど……覚えてる?』


中学のとき…ちょっとしたことでなぜか私に話しかけてきた男子だ。


「うん……何?」


『あのさ、今皆で飯食ってるんだけど……来ない?』


「行かない。用事あるもん。」



本当は、用事なんてない。


あんなストーカー的メールを送った相手も混じっていないとは限らないし、怖かった。

だから、理由をつけて断った。



『そんなこと言うんだ?
俺…きーちゃんの家知ってるから、来るよ?』


脅しをかけてきているつもりか。


だけど…私と小学校から仲良しの子の家を知っていたら?

その子との家の距離は歩いて3分もかからないから、バレてしまう危険もある。



その子に全部話して、助けてもらおうかとも考えた。


だけど…迷惑はかけたくない。


小学校のときも、中学校のときも、いろいろ助けてもらったし。


高校が別々になった今も、また助けてもらうのは気が引けた。


私一人で、何とかしなきゃ。




まあ、同じ中学の男子はいることにはいる。だけど、家までは知らないはずだ。


行かないと再度告げてから、電話を切った。



電話を切ったはいいが、少し怖くて、しばらく布団に潜っていた。


そのあと、気晴らしに好きなアイドルのライブDVDを観た。




観ていると、何もかも、一時的に忘れられた。





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