キミが望むのなら
「あの時の悠君の瞳は、ちゃんと未来を見て輝いてたもん」
「っ……」
「だから、こんな悲しい瞳をして『どうでもいい』なんて嘘、つかないでよっ……」
「桃香ちゃん……」
泣くな……
泣くな……
あたしが泣くな……
「ふっ、なんで桃香ちゃんが泣くんだよ……」
「だ、だって……」
止まらない涙……
「って、俺の為に泣いてくれてるんだよね……」
「っ……」
「そうだよね……。俺、桃香ちゃんにちゃんと宣言したんだもんね……」
「悠……くん」
「また俺、自分の気持ちを見逃すところだったよ」
あっ……瞳の色が変わった……
「お願いがあるんだけど、俺と一緒に病院まで行ってくれないか?」
「え!?」
「桃香ちゃんが居てくれると俺、俺らしくいれるんだ」
そんな瞳で見つめられたら……頷くに決まってるじゃん。