キミが望むのなら

何言ってるのよ……あたし。


こんな生意気なこと言っちゃって……


「諦めるも何も、どうでもいいし……」


「うそ」



「え？」


「あっ……」


また言っちゃった……


でも……


「ほ、本当はそんなこと思ってないでしょ？」


悠君にこんな風に意見を言うのは緊張する。


「悠くん、嘘ついてる。どうでもいいなんか思ってないくせに」


「っ……桃香ちゃんに何が分かるの……？」


「っ……」


そうだ。


あたしに何が分かるってわけじゃない。


ここの跡取りだってことも、今日初めて知ったくらいだし……


だけどね……


「わ、分かるよ……」


あたしにも分かることがあるんだよ……？


「悠君、言ってたでしょ？『前に進みたい、ちゃんと向き合いたい』って……」


「っ……」


「それっておばあさんとだよね？」


「それは……」


口ごもる悠君。


ほら、やっぱり……