キミが望むのなら
「僕、ここを継ぎます」
「……え?」
「僕が継いで4代目になります。立派な4代目になります。だから僕に店を任して、おばあ様は手術を受けてください」
「……」
はっきりとおばあさんにそう言いきった。
悠君の言葉に、迷いはなかった……
「……冗談はやめなさい」
「冗談じゃありません。僕に紺野呉服店を継がせてください!!」
「っ……」
お願いっ!!
悠君の気持ち、ちゃんと伝わってっ!!
「私の為に言ってるんですか……?」
「え?」
「私が手術を受けやすくするために……。でしたら、必要ありません。私は手術を受ける気は……」
「っ!!受けろって言ってんだよっ!!」
「!!」
病室中に悠君の声が響いた。
隣に立っていたあたしまで、驚きでビクッと肩が震えた。
「自分の体だろ!?自分が一番大切にしてやらないといけないだろっ!?そんな簡単に死ぬ覚悟とかするなよっ!!」
「……」
「おばあ様は俺の唯一の家族なんだ!生きていてほしんだよっ!生きて俺を立派な4代目にするんだろっ!?」