血塗れの蝶

運命の変わり目

あれから3日。
今日は、こーに逢える日。

「美緒さん?・・・お久し振りです。
 最近、来ないんで、総長が
 振られたっていう噂が
 流れてたんッスよ?
 どうしたんスか?」

驚いた顔をしたこーの下っ端の樹。
(いつき)

あたしは、桜神の総長だと知られないよう、
ここでは、偽名を使っている。

桜月 美緒と・・・。
(おうつき みお)

『久し振り!!ちょっと、
 友達が彼氏と、トラぶっちゃって・・・。』

「それで?」

『それを解決するのに、時間が
 掛かっちゃったんだ~!』

「あっ、そうなんすか?
 美緒さん、優しいですね?
 いいな~、総長にはこんな女の子が
 いて・・・。」

そう言ってショボーンッと、
落ち込む樹をあたしは、

『えぇ!?なんで?樹だったら、
 こーよりもモテそうなのに・・・。』

と慰め?てあげた。

「本当ですかッ!?いや~、
 美緒さんに言われると、
 照れますね・・・。」

そう言って少し、顔を赤くした。

『あたし、そろそろ行くね?』

「あっ、すみません。引き止めて
 しまって・・・。」

『いいえ?でわ、失礼します。』

そう言って、一礼をすると、あたしは
こーのいる場所へと、駆けていた。




―――――――――――。

ガチャッ

「おおっ!?美緒ちゃんじゃないか!!」

「えぇ!?美緒ちゃん!?」

「久し振り~!!」

あたしに気付いて、名前を呼んだのは、
こーの幹部の、悠樹だった。

そして、悠樹の言葉に反応した
尚人と令二が次へと言った。

『お久し振りです!!』

あたしは満面の笑顔でそう言った。




―――――――――――。

「何々?琥畏に呼び出されたの?」

「琥畏なら、そこで寝てるけど?
 起こす?」

「いやいや、俺達が起こしたら、
 トンでもないことになるから・・・。」

3人はそんなことを話していると、
突然、あたしの方に視線を向けた。


『あたしが起こしますから・・・。』

そう言ってあたしは、こーの頬にキスをした。

「「えぇ!!?」」

悠樹達は驚いていたけど、
なにがビックリなのか、あたしには
わからなかった。




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