血塗れの蝶

天国が見える・・・。~尚人side~

――――-俺、今凄いところにいるんだ。

どこかって?

綺麗な花畑があって、なんか雲に近いところだ。

「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛~ッ!!尚人ッ!!
 それは天国だ!!!まだ、逝くなよ!!?」

あぁ。隣から悠斗の声がするよ・・・。

「悠斗・・・。僕、もう、無理かも・・・。
 バイバイ・・・。(ガクッ)」

令二。2人で一緒に逝くか?

「だぁ゛ぁ゛ぁ゛~ッ!!令二ッ!!
 美緒ぉぉー!!!俺等を下ろしてくれぇぇ~!!」

『無理ッ♪うるさいから。ってか、琥畏と
 話し終わるまで、そのままね?』

美緒はそう言って置くへと消えていった。

「助けてくれぇぇ~!!!!」

『あ、そうそう。あんまりうるさくしてると、
 チョッキンしちゃうからね?』

美緒がそう言うと、悠斗は黙った。

「・・・・・・・。」

ヤバイ・・・。俺、眠いかも・・・。
いや、死ぬかも・・・?

俺は意識が朦朧してきた。
最後に見たものは・・・。


”桜神”だった―――――――。


なんで、俺達の縄張りにいるんだ?

そういえば、桜神の伝説の「死蝶」って、
女なんだよな?

あと、肩から腕にかけて蝶の刺青があるんだよな?
血塗れの蝶の刺青が・・・。

どこかの組の次期総長とかも・・・。

・・・そうえば、美緒っていつも腕に包帯
巻いてるよな?何でだろう?

・・・去年男に襲われてたときに、包帯が緩んで
見えたけど、藍い蝶が見えた。
あと、少しだけ蝶の羽に赤い何かが見えた。

けど、すぐに美緒はそれを隠しちゃって、
あまり見えなかったけど・・・?



あぁ。ヤバイ・・・。


プツンッ


俺の意識はそこで途絶えた。
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