プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
あんな風に見ないで……。

「そんなガチガチにならないで」

 耳の側で甘く囁かれ、胸の尖りをやさしく指で転がされる。睫毛を濡れた舌でつっと這わされて、私はそっと瞼をひらいた。

「……美羽。彼と何かあった?」
「潤哉さん、……」

「信じてるよ。けど何かある前に、必ず僕に教えて」
「……うん」

 不思議と、やさしくそう言ってもらえるだけで安堵感に包まれる。

 唇を重ねて、何度も啄ばみながら、あたたかな舌を絡ませてキスの濃度をあげていく。

 たちまち身体は熱くなり、そのうち思考の外に追い出され、潤哉さんのことだけでいっぱいになっていった。

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