天使の舞―前編―【完】
何がおこったか、理解出来ていない宮田は、キョロキョロと辺りを見渡した。


「…?…?えーと…。
僕、どうなっちゃったの?」


眉をしかめた怪訝な表情で、ミルクティー色の髪の青年を観察している乃莉子が目に入り、宮田は咳払いをする。


「まぁ・・・じゃあ・・・とりあえず・・・君、今日から働くぅ?
で、名前は?」


「悠。」


「・・・。
フルネームですよぉ。」


「おい。
フルネームだってよ。」


聞かれた悠は、そのまま乃莉子に聞いた。


「えっ?」


乃莉子は咄嗟の質問に、詰まってしまう。


「そんなの自分で考えてよ。
私、関係ないじゃない!」


「お前、誰に向かって口きいてんだ?
フルネームだ。
早く答えろよ、名付け親だろ。」


「イヤ!」


「乃莉子さ、今の見てたよな?
・・・俺の言ってる意味、分かるか?」


「・・・・・・・!!
脅すの?」
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