天使の舞―前編―【完】
唇を離した悠は、満足そうに潤んだ瞳で乃莉子を見つめた。


「よし!
誓いのキスも無事終了したし、後は乃莉子が俺を、愛せばいいだけだ。」


思考回路が止まり、ぼーっとしていた乃莉子は、悠の言葉でハッと我に返った。


「キ…キス?誓いのキス?」


『キス』という、自分には無縁だった言葉と、たった今それを実行された事への恥ずかしさから、乃莉子は穴があったら入りたい心境になった。


「ちょっと!頭おかしいんじゃないの?
勝手に人にキ…キ…キスするなんて!
こんなのセクハラじゃない。」


爆発してしまいそうな程、乃莉子は顔が熱くて、真っ赤になっている。


「俺に本気で惚れられたんだ。
光栄に思え。
俺のキスをセクハラだなんて、お前の方こそおかしいだろ!
しかも、これは只のキスじゃない。
神聖な誓いのキスなんだぞ。」
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