天使の舞―前編―【完】
悠はこんな場面は初めてで、どうしていいやら、てんで分からない。


悠は天界の王子として、やりたい放題、言いたい放題で、良しとされてきた。


こと女性に対しても、例外ではない。


自分中心に、自分の周りの物事を進めてきた。


当然王子に対して彼女らは、叱責などしないし、逆らう者もいない。


むしろ、お声がかかるなんて光栄な事で、大小にかかわらず、王子のワガママは許されていた。


文字通りの俺様だったのだ。


今まさに、その俺様が裏目に出ている状態である。


大事な乃莉子が泣いている…。


いや。
泣かせてしまった?
この俺が。


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