スイートなメモリー
なのに、なぜ私は頷いてしまったのだろう。
どうして私の首にその首輪を嵌められたのを黙って受け入れてしまったのだろう。
足首と手首から鎖を外されて、少しだけ物寂しい気分になったのもつかの間、その鎖は首輪に付けられる。
向かい合って三枝君の膝の上に乗せられるが、自分の腰をそのまま降ろすことはまだ許されなかった。
私の腰は三枝君の手で押さえられている。
すっかり熱くなってしまっている私の耳たぶを軽く噛みながら三枝君がささやく。
「ねえ芹香。私は学人さまのものです、って言ってごらん。言えるかい」
押さえられていた腰から手が触れるか触れないかまで離され、胸の上まで進んだ手のひらが固くなっている乳首に触れる。
自分の身体が小さく震えているのがわかる。
「……わたしは……まなとさまの……ものです……」
ぐっと鎖が引かれて、身体が密着する。
三枝君の身体が汗で冷えているのを感じた。
お尻を強めにつかまれて、腰を落とすよう導かれる。
私の濡れた器官に、三枝君の熱く固くなった器官が触れて湿った音を立てた。
「良く出来ました。ご褒美をあげよう」
ゆっくりと腰を下ろして、熱を持った固いものを飲み込むようにする。
お尻をつかんだ手に力が入れられ、腰の動きを遮られた。
抱きかかえられた頭の上から声がする。
「ちゃんと、お礼を言えるようにしつけないといけないね」
お尻をつかんでいた手が離され、臀部に鈍い痛みが走った。
ぶたれた。
これは罰か。
罰は受け入れなくては。
「ごめんなさい。ありがとうございます」
無意識に出たその言葉と共に、涙もこぼれた。
決してイヤではないという不思議な感情と、それを良しとしている自分を認めたくないアンビバレンツ。
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