ラッキービーンズ【番外編】
「え~、だって条件いい人いないですもん。ヘタな相手と過して勘違いされるより皆でパーティでもした方が楽しくないですか?」

「それはそうかも」

「あ、でもメイさんはヤギっちあたりに誘われそうですよね。どうします?」

「どうしますって別に誘われてないし……」

「じゃあ、いっそのこと四人で遊びます? 鍋パリベンジで」

「え」


思わぬ提案に低い声が出てしまった。

四人というのはつまり、水嶋と八木原くんとリアちゃんと私。


つき合ってること言えてないだけでも気まずいのに、さらにクリスマスに皆で過さなくても……。


そう思ってるのに、つき合ってるの一言が出て来ない、意気地なしな私。

もどかしいけれど、でも人間そんなにすぐに何でも言えるようには変われない。


「水嶋さんの彼女、地元でしょ!? 会わないかもしんないしー。付け入る隙があるかもしんないしー」

「……」


ないから! 隙なんてないからつけ入らないで!!
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