鬼の花嫁
もうだめ…
そう思った時だった。
キン…!と金属がぶつかる音がして
ふわりと抱き寄せられる
鼻をかすめるいい匂い……
「か、風神さ……」
ぎゅう…と肩に力を入れられ
余計に密着する身体。
「鬼か…」
「ふん、狐。俺の屋敷に
土足で踏み込むたァいい度胸だな」
風神さんの姿を見て、
フッと狐が口許に嫌な笑みを浮かべる。
「今日のところは帰る…
だが次こそお前の血は我ら狐に」
それだけ言って闇の中へ消える狐。
空気はだんだんと静かに…
そして穏やかにへと元の姿へ戻して行く。