黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



……そう。

新学期早々、イヤミな教師から命じられた大量の課題。

授業中にほんのちょっと眠ってただけなのに、居残りしても終わらないほど出しやがって…

私的には、授業に“出席してた”だけでも褒めてほしいくらいなのにさ。


本当は、今日が提出期限だった課題たち。

一向に終わらない山を前に“逃亡”を考え始めた、そんなとき。


救世主登場。


王子の特権(?)で、担当教師に話をつけて、期限を延ばしてくれたのは助かったけど…


「じゃあ、うちに行こうか」


有無を言わせず、そのまま強制連行。


「手伝うよ。ちょうど明日は休みだし。疲れたら、泊まっていいからね?」


…って、いやいや。
土日があれば、1人で終わるし。

泊まるほどじゃないから。



思いながらも、

私は拒否できなかった。



だって…

久しぶり、なんだもん。
こういうの。


そりゃ、同じクラスなわけだから毎日顔は合わせてるけど…

“2人きりで”は、ずいぶん久しぶり。



なぜなら…



「やっぱり、猫って可愛いよね。」



コイツのせいだ。



< 108 / 147 >

この作品をシェア

pagetop