月夜の翡翠と貴方


「スジュナちゃんなら、今ルトとお店を回ってて…えっと、どうかされたんですか」

「そうですか…いや、公演が一段落ついたので、様子を見に。お昼休みみたいなものです」

「あぁ…………」

パン屋で会った劇場の女役者が、お昼の買い出しと言っていたのを思い出した。

「ジェイドさんは、どうしてここに?」

「あー…ちょっと、ルトと色々と」

苦笑いをして、言う。

なんだか恥ずかしい。

「ケンカですか」

「そんなところです」

そう言うと、ラサバはうんうんと頷いた。


「早く仲直りできるといいですね。恋人は仲が良いのが一番ですから」

「…え、あ、あぁ」


あはは、と乾いた笑みを零す。

そういえば、そんなことになっていたか。

改めて、あの能天気な主人にため息をつきたくなった。



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