淫靡な蒼い月
モノトーン


どっちも好き。


同じ顔、同じ声、同じ体つき


外見的な違いはほとんどない二人。


だけど、中身はまさに対極、正反対。


乱暴でぶっきらぼうな彼


いつでも、どんな時でも優しくて、話術にも長ける夫


同じ顔で二つの全く違う『味』を楽しめるあたしはきっと、幸福者。


昼間は彼とホテルや、時には夫のいない自宅、暗いパーキングの車の中で


夜は夫と寝室で


唯一のルールは“彼との時に寝室のベッドを使用しない”こと


「ここ、感じる?」


「感じてんだろ? そうだって言ってみろよ」


全然違う言葉遣いだけど、基本的には同じ声。


ダメ、やっぱりやめられない。


どちらか一人には決められない。


それはまるで“光と影”


きっとこのまま、うまく続けられるわ。


お腹の赤ちゃんの父親が二人いたっていいじゃない。


だってあなたたちは、一卵性双生児。


DNAから、同じなんだもの。

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