淫靡な蒼い月
この世の終わり


どうしてもやめられない。


理性ではもう、どうにもできない。


唇が重なれば、脳髄が溶け出し、肌が触れあえば心臓が震える。


“いけない恋”ってことは百も二百も承知している。


あなたには、彼女がいる。つまりあたしは元カノ。


だけど、互いに嫌いで別れた訳じゃない。


親と、彼女のわがままから、逆らえなかった。


弱味を握られた彼は、苦しみの末に、今の道を選択せざるおえなかった。


そしてあたしも、それを呑むしかなかった。


だから――


余計に呼び合ってしまう。


求め合ってしまう。


惹かれ合ってしまう。


今も、四角い小さな部屋の中で、激しく貫かれる度に悲鳴をあげてる。


あなた以外とはもうできない。


あたしたちは互いに、そんな体になってしまった。


愛してる。


だから、今夜――


この歓喜の中で、繋がったまま、死にます。


永遠に一つになって。

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