Seven Colors
荷物をまとめた黒王とアキラは、部屋から出て廊下にたった。誰もいない、白石もいない、ただ肌寒さのみが残る廊下。
鍵穴に鍵を挿入する音が冷たく響く。手首を返せばカタンと鍵がしまった音がした。アキラはその様子をじっと見守っている。
「で、俺はこれからどうすればいいわけ?」
黒王は鍵を引き抜き、携帯電話のディスプレイを覗きながらその問いに答えた。
「今から寮に案内する。俺は寄るところがあるから、先に入り口にいろ。この先にある階段で一階まで降りれば入り口がある」
そう言って踵を返した黒王。ああそうですかと一人歩こうとしたとき、アキラは向かいから歩いて来た目つきの恐ろしい刑事らしき若い人物と目があった。
アキラの身なりがあからさまに不良児であるがため、その刑事はアキラを凝視している。
「いいの? 容疑者だし、補導された俺一人署の中うろついても」
「誰かに何か言われたら、俺から許可を取ったとでも言え。その代わり関係ないところはうろつくな」
黒王は一瞬振り返っただけで、すぐにアキラの進行方向とは反対の方へ歩を進めて行った。
目つきの悪い刑事は黒王の存在に気付くと恐縮したような態度を見せていたが、黒王はそれにすら気付かず。アキラは警察内部の上下関係を垣間見たのであった。
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