Seven Colors

 椅子をしまい、部屋を出る準備をする黒王。アキラの質問もたいしたことはないだろうと軽く構えている。

 スケートボードの汚れを払いながら、アキラは黒王の目も見ずに言った。


「何で黒王警部はその人間について、そんなに詳しいんだ?」


 何の気無しに聞いたその言葉は、黒王にとっては核心を突かれたようなものだったらしい。

 いたって冷静な表情であった黒王が、少し動揺する。黒王は首筋を押さえ、極力冷静な声で言った。


「……今は言えない」

「今は?」

「ああ。だがこれだけは言える。俺がこうして警部という地位を手にしているのは、この情報を知っているからだ」


 黒王の発言に僅かな疑問を抱いたアキラは、さっと黒王の方を向いた。純粋で何も考えていなさそうなアキラの瞳が、黒王の心臓の鼓動を速めさせる。


「え? 警部だから知っているんじゃなくて、知っているから警部なのか?」

「言っておくが、この情報を知っているのは本人含め、極僅かな人間だけだ。極秘事項だからな。その辺の警察官に聞いたところで誰も知らないし、絶対に言うな。わかったな?」


 途端速くなった黒王の口調に違和感を覚えつつも、アキラは首を縦に振って答えた。


「極秘情報だから、裏か」

「まあ、間違った解釈ではない」

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