クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
「ちょっと……!」


 結衣がロイドの手を押さえて抵抗していると、後ろから間延びした声が聞こえた。


「ねぇ、取り込み中のとこ悪いんだけど、誰?」


 振り返ると、玄関に立った蒼太が、冷めた目でこちらを見つめていた。

 途端にロイドは、敵意を露わにして、蒼太を睨んだ。


「そっちこそ誰だ。ユイはオレのだぞ」


 蒼太はおもしろそうに笑いながら、相変わらず呑気に答える。


「そんな色気のない姉でよければ、熨斗(のし)付けて差し上げますけど。なぁーんだ、そういう事か。姉ちゃん、カレシとデートが忙しいから帰りたくないのか」


 一人で納得してクスクス笑う蒼太を見て、ロイドの表情が緩んだ。
 そして結衣に尋ねる。

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