クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 ちょっと勘違いした事が気恥ずかしくて、結衣はロイドを睨んだ。
 するとロイドは見透かしたようにニヤリと笑い、顔を近付けてきた。


「おまえ、今違う事考えただろう?」
「何の事?」


 とぼけて苦笑する結衣を抱き寄せながら、ロイドはメガネを外し、枕元の棚に置いた。


「心配するな。そっちの期待にもちゃんと応えてやる」
「だから、何の事?」


 結衣は絵本を抱きしめ、ロイドとの間に壁を作る。

 ロイドは絵本を取り上げ、メガネの横に置いた。


「文字の勉強は昼間にしろ」
「なんで?」
「夜の時間は、オレが独占する事に決まっているからだ」


 そう言ってニヤリと笑うと、ロイドは灯りを消した。

 暗闇の中、ロイドが耳元で囁いた。


「ユイ、愛してる」



(完)




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 本編で結衣探偵の謎解きのヒントとして使おうと思ってましたが、これをヒントに使うとなると、結衣に文字が読めないといけません。
 文字が読めるなら、絵本なんか読んでないでロイドを手伝えよ、って思いますし、ロイドに読んでもらうという手もありますが、彼にそんな余裕はありません。
 そんなわけで、廃案になりました。
 せっかく作った昔話なので、公開します。
 まぁ、現存する昔話って、結構救いがなかったり、さらりと残酷だったりしますよね。これも、そんな感じかも。その辺はリアルに想像しないで下さい。
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